第7回「自然解説していれば、エコツアー?」

中神 明氏 (エル・ビー・カヤックステーション)

今年は、島の天気がちょっと変です。エルニーニョだそうで。

ところで今年は、国連の「エコツーリズム年」と言うことでエコツーリズムを推進している方々の活動が活発になっているそうですが、島の暮らしには一向に関係が無く地域の人々は、雨の少ない梅雨空に作物の心配や魚の釣れ具合が話題にしています。

しかし、そうは言ってもこの難解な言葉「エコツーリズム」に地域住民の関心は少なくありません。最近思います。「この言葉がしっかりと日本語訳されて数年前に登場していればよかったのに」と。エコツーリズムの言葉の理解を深めていくと、「何だか、かなり日本的で、田舎には以前からあったものじゃなかったのか」と。地域の個性を認めると言うことでしょうか。つまり私は、自然だけでなく、その地域に暮らす様々な人々の価値観を認め、配慮していくとだと考えています。

だとすると、数年前に躍り出るように中神は「西表島エコツーリズム協会」を設立しましたが、その協会は、そのことに気がつき、配慮のある人生観を持って島の中にお客さんを呼んでいるのでしょうか。

また、エコツアー自体今までには無い形態の旅行であると言われていますが、何が違うのでしょうか?島の中ではよくそれがわからないのです。「自然を解説すれば」、「あるいは少人数であれば」と言いますが、本当にそれがエコツアーになってエコツーリズムと言う概念が伝わっているのでしょうか。

さて、この3月に環境省は西表島において地域住民を対象とした「親子モニターツアー」を行いました。このモニターツアーの趣旨は、地域住民にエコツーリズムの理解を深めてもらい、自然を知ってもらうことでした。しかし、ココで私が親としてあるいは地域住民として感じたことは、地域や親はココの自然環境のすばらしさを子供達に伝えるため日々努力し、互いの協力で子供達を育てているのに、今なんで環境省が出てきて、・・・。おそらく、地域の人々は私と同じ印象は少なからずともあったと思います。はじめは、私の娘達のクラスが対象になりました。

しかし、関心が無いのか時期が悪いのか、参加者が集まらないことから対象学年や学校の枠を広げ、ようやく形になる人数を集めモニターツアーが開催されました。そこで、私も娘達とツアーに参加してみました。ツアーに参加し、数年前のことを改めて思い起こしました。それは、当時然別湖のネイチャーセンターにいらした崎野氏が話していたことです。「ガイドには、極力解説はしないように指示しています」。自分が、解説される側に回ると良くわかります。自然を感じる暇も無く、それは楽しいものにはならないこともあると言うことですね。 しかし、環境省も3月の年度末になって何でこんなことを考えるのでしょうか?土木工事のようなお金の使い方に腹が立ちます。田舎という地域では、地域教育なるものは依然として残っているのです。また、学校でも自然環境に関する関心は非常に強くあります。したがって、子供達が自然の中で過す時間も多くあります。地域を見限らないでほしいのです。そんなやり方では、地域に根ざすエコツーリズムなんてありません。

そうではなく、ココの自然を守り、現在に至るまでにしてきたのは地域住民でもあります。その地域住民の感情に配慮と理解があって初めて地域に浸透が図られるものではないのでしょうか。 カヤックを漕いでは脳みそを溶かしています。泡盛も脳みそを溶かす一つですが。

最近、ツアーに出るたんびに昼寝の時間を作っています。昼寝をしては、浜に寄せる波の音を聞いたり、風の音を聞いたりしています。心地よい時間が、人間の再生になっていると感じています。

エコツーとは、自然解説していれば、エコツアーなのでしょうか?

2002年5月 中神明