第11回「未野外活動近況報告」

占部 澄子氏 (U-Works Inc.)

はじめに一言「一村さんバトンタッチありがとうございます」。

今年は春から超過密スケジュールの反動か、それとも加齢からか病気とケガに追いまくられ『ああ~、やっと年を越せそうだわい・・・』と一息入れた矢先、リレーコラムの原稿依頼(一村さんからのバトン)が舞込んできました。

JONの活動にはここ数年ほとんど顔を出さず、送られてくる会員名簿をめくり浦島太郎状態。『占部って誰・・?』なんて事になっては大変だあ~!

ならばこのコラムを近況報告の場として活用させていただきましょう。

私、占部はU-Works Inc.設立以来、野外活動らしき活動には全く参加しておらず、もっぱら机上の活動ばかりです。海外旅行のひとつの切り口として〔自然に触れる〕をテーマに観光局、商工会議所、旅行会社、現地オペレーター等との連携で、旅行企画促進のためシンポジウム、ショウ、視察などに参加し自然との接点はありますが、出かけるときは、もっぱらスーツ姿にハイヒール、キャリーケース引っぱって、PC片手に・・・なんてスタイルです。かつて愛用したリュックにシュラフ・・の品々は今や押入れの奥に眠っています。

しかし、私が以前から望んでいた自然に触れる体験=「年齢、スキル、費用、場所、男女、国籍等問いません」スタイルを提案し続けてきた成果が、このごろの自然体験型旅行企画に生かされていると自負し満足しています。また、U-Works Inc.の主催事業においても、乗馬を通した友情の輪が広がり、毎年数本の海外乗馬トレッキングの企画催行を果たせていることは、嬉しく感謝のかぎりです。
とは言え『スッピンで自然にどっぷりつかりたい!』という私個人のフラストレーションは溜まる一方。今夏、長い間夢見ていたアイスランド行きを決行しました! (仕事抜きのプライベートで・・・)。

メインは一週間の乗馬トレッキング。純血種アイスランディック・ホースに乗って、毎日旅をするのです。旅の参加者のお国柄は米国、ドイツ、スイス、オランダ、スウェーデン、フィンランド、そして日本。ここにアイスランドのスタッフを加えて総勢30名ほど。加えて馬が70頭。毎日6~7時間は馬で大自然を駆け抜けてのトレッキング。途中騎乗馬を取替えながらのため、騎乗馬のほか40頭の馬も同時に移動していく馬追いでもあります。

久しぶりに、スッピン顔でトレパン・ファッション。シュラフにくるまって山小屋や公民館で雑魚寝。夏のアイスランドは白夜で、夜中の2時、山小屋から眺める夕焼け?朝焼け?の美しいこと!!しかも日本と同じ温泉入浴が毎夕の締めとあって、スッピン顔をゆるませっぱなしの旅でした。

アイスランドは日本と同じ火山島国です。温泉、氷河、鯨、イルカ、漁、フィヨールド、野鳥、バイキングの歴史etc.人口わずか23万人の島国は、とにかく自然そのものが素晴らしい!

かつては漁業が国の経済を支えていたそうですが、今日では恵まれた自然環境をいかした観光業の占める割合が右肩のぼりとのこと。今回の乗馬の旅もそうですが、アウトフィッターも多々ありハイキング、釣り、オーロラや氷河鑑賞、スキー、スノーモビルなど自然体験型のツアーが目立ちました。

旅の詳細は次回お目にかかった機会に話をさせていただくとして、私、占部個人は、心身ともに充分にリフレッシュして帰国したことを、ここに報告させていただきます。

アイスランド行きに関わって、ぜひお話ししておきたいことが一点だけあります。それは「アイスランドの動物保護」です。

日本と同じ島国であるアイスランドでは、約1100年前に島に持ち込まれた馬を始め、真赤な野鳥パフィン、鯨、イルカなどが棲息しています。動物たちは島国故に、国外から海を越えて持ち込まれる菌に対する抵抗力、免疫がなく、ゆえに感染症等が、島内全域に及んでしまうことが心配されています。そのため、海外からの乗馬と釣り客にはアイスランド共和国外務省、獣医師会による厳しいルールが定められています。

「Warning ! keep animal diseases out!」で始まり、「アイスランド共和国は島国という立地条件から島内の動物達を病気から守るために我々一人一人が責任を持って協力し合いましょう!」と英語とドイツ語で書かれたパンフレットが外国人観光客に配布されます。

  1. 生肉類の持込の禁止
  2. 新品以外の乗馬馬具の持込の禁止
  3. 乗馬用衣類のドライクリーニング、乗馬靴の消毒、以前使用した皮製品の乗馬用品の持込の禁止
  4. 新品以外 (使用済み) の釣り用具の持込の禁止

上記4点が明記され、入国前か入国時に消毒を促しています。日本の外務省ホームページからもこの点に関する詳細が検索できます。

今回申し込みをしたアウトフィッターからも「Veterinary Certificate」といった書類が届き、獣医と公の機関からの消毒証明書の提出を要求されました。

証明書には消毒液の種類と濃度 (%)、詳しい消毒の方法までが指示してあります。私は、消毒液の詳細や日本国内で消毒できる機関等について、それはそれはあちこちに問い合わせをしました。当初はどこからも情報を得ることが出来ず結局、アイスランド大使館、外務省、知り合いの獣医さん、記載されている消毒液の輸入元、農林水産省、馬種輸出入業者、動物検疫所等を経由し、たくさんの方のご協力をいただいて乗馬ブーツの消毒と乗馬用品のドライクリーニングを済ませることができました。そして、証明書に獣医さんと動物検疫所 (農林水産省) の署名を頂き出発する運びとなりました。

仕事に追われながらの手続だったので証明書を手にしたのは成田空港を出発する日。取得所要日数は約2か月 (あれこれ問い合わせたため)。ところがアイスランド入国の際、この証明書の提示を要求されず、荷物検査もなくすんなり入国。釣り道具を持った人たちは別ルートで検査がある様子でしたが、何だか拍子抜けしてしまいました。

現地の人曰く、『乗馬の客は見た目、普通の観光客と区別がつかないから係官が荷物の検査をしない場合もあるけど、検査の結果証明書がない場合はその場で消毒を強制、しかも消毒後乾燥させ、高額な手数料を払って入国することになるから・・・』とのこと。私はフムフム納得。同じツアーに参加した他国の人たちも皆、このルールを厳守していました。

この厳しいルールに対しては、極東の私たちには情報が不足等、賛否両論があるでしょう。しかし、国をあげての呼びかけでもあり、島独自の生態系保護という観点からも、協力はやはり当然の義務でしょう。

この消毒証明書話には後日談があります。 帰国してから数日後、ちょうど同じ頃にアイスランドの乗馬トレッキングに参加したという知人に、 『証明書取るの大変だったでしょう?』と聞けば、 『何その証明書って、ブーツは洗ってから持ってくるように・・とだけ。 あとは何にも注意事項なかった』

・・・・絶句。

早速現地に問い合わせましたら、入国検査も徹底していない状態だからアウトフィッターによってはめんどうな書類を要求するのは客足に響くのでは、との思惑から強制しないところもあるとのこと。

さて皆様、このストーリーをどう思われますか・・・。ご意見やその他の情報があればご一報ください。

証明書を取るには大変な労力と時間が必要でした。が、初めて経験することでもあり、結果多くのことを学ぶことができました。調べていくうちにアイスランドの動物保護政策に興味が出てきたし、次回のための消毒ルートや情報ネットワークも出来たので良しとしよう!というのが現在の心境です。

また来年も「休暇をとって、行きたいトコロへGo!(どこにしようかな・・・)」を目標に、鍼灸に通いながら頑張るか!!!ヨシヤ!

皆さん!最近、新しい体験してますか?

U-Works Inc.代表 占部 澄子 でした。
http://www.upjp.net/u-works
u-works@e.mail.ne.jp