第14回「札幌・冬の自然あそび」

田中 住幸氏 (NPO法人 あそベンチャースクール)

暖冬と言われていたがそんな事はない。年明けから一時的に雨の降る日や気温のゆるむ日はあったものの、真冬日 (最高気温が零度以下の日) が続き、雪もどっさり降っている。ご存じのとおり、札幌をはじめ北海道内の子どもたちの冬休みは長い。クリスマスから約1か月間続く。ヒグマのように“雪が降ってきたから冬ごもり”といきたいところだが、仕事柄そうはいかない。『雪の中で思う存分遊べるのは北国の子ども達の特権だ』と唱えながら、寒さにマケズ子ども達と共に雪の中での自然あそびを堪能している。

そんな札幌ならでは (?) の、雪の中での自然あそびをいくつか紹介したい。

【すべる】
とても楽しく大人気のあそび。すべるスタイルは、道具を使わない尻すべりから、米袋、そり、タイヤチューブ、スコップ!?まで・・・。市内にはスキー山がある公園が多く、数年前には郊外の大型公園内にロープトー完備のチューブ滑り場が登場したりもしている。豪快にすべるのはもちろんだが、何よりも楽しいのは自分たちでコースを作ってすべる!こと。ジャンプ台が登場したり、カーブが現れたり、とにかく大人も子どもも夢中になれる。

【掘る、積む】
といわゆるイグルーやかまくらなのだが、子ども達とのあそびではあまり形にこだわることなく、雪ブロックの作り方や雪の接着の仕方などを説明し、あとは『ヒミツ基地をつくろう!』のひとことで、掘ったり、積んだりをどんどん進めていく。トンネルやすべり台、落とし穴が登場し、いつのまにやら子ども達のヒミツの場所が出来あがる。ろうそくの灯りを用意して夜にヒミツ基地に行ってみるのも最高に盛りあがる。

【投げる】
国際大会も催される程になった雪合戦。細かいルールや勝ち負けにこだわりすぎることもないのだが、チームを組み自分たちでルールを確認しあって審判も設けて行う事で、いつもの何気ない雪合戦よりも集中力が高まり、チーム内での作戦会議も頻繁に行われる様になる。前述のヒミツ基地を作った後、基地を使っての雪合戦なんてのは俄然モチベーションがあがるようだ。

【食べる】
何はさておきアイスクリームかと…。コーヒー豆用の缶にアイスの材料を入れ密封。この缶よりも大きい頑丈な入れ物の中に塩と雪そして密封した缶を入れ、コロコロと転がすこと十数分…。あらフシギ!缶の中にアイスクリームの出来あがり。外側の入れ物の調達に苦戦した。蹴ったり、投げたり、転がしたり、ちょっとやそっとで壊れない物をと…。漁業用のブイに穴を開けた物が何よりも使い勝手が良い。あわせて、アイスの味はバニラよりもチョコの方が子ども達の満足度が高い様子。

【釣る】
氷上でのワカサギ釣り、北海道ならではでもないが…。子ども達の釣りに対するモチベーションは非常に高い。きっと、釣りをする機会が圧倒的に少なくなって来ているのだと思う。大雪山系から流れ出し石狩湾に流れ込む石狩川、治水工事で切りとられた部分 (川) が流域のあちこちに三日月湖として残り、冬には結氷しワカサギ釣りのポイントとなる。道東がメッカ、のイメージが強いワカサギ釣りが札幌郊外で手軽に楽しめる。

「雪は天からの手紙」という言葉を残したのは北海道帝国大学の中谷宇吉郎博士 (1900-1962)。先日、“100年後には札幌の気候は現在の東京並になると予想されていた”と知人から聞いた。真偽は確かではないが、もしそうなれば大切な天からの手紙を受け取れないことになってしまう。雪を愛し自然を地球を愛する子ども達を少しでも増やそうと、これからも寒さに負けず頑張ろうと思う。

あそベンチャースクール
http://www.asove.rexw.jp/