第16回「オヤジ大学院生 奮闘!」

西村 仁志氏 (環境共育事務所カラーズ)

みなさんこんにちは。環境共育事務所カラーズの西村仁志です。1993年に勤務先のYMCAを辞め、30歳で個人事務所「環境共育事務所カラーズ」を立ち上げて、またたく間に10数年が経ちました。この間にはJONのメンバーのみなさんをはじめ、全国の野外教育関係者との出会いがあり、仕事の中身も自然体験からまちづくり、人材育成、自治体行政のお手伝い、大学非常勤講師など幅広くなってきました。

一昨年40歳となり、また開業後10年という節目にもなりますので「次の新しい飛躍」へのきっかけづくりを考えていたところ、大学院進学への興味が湧いてきたのでした。

「西村さんって大学では何がご専門だったのですか? 野外?、環境?、教育学?、生物学?、」こういうのって困った質問です。大学非常勤ではもう5年も「環境教育論」なんて科目を担当しておきながら、実は大学で専門的に学んだわけではありません。もう20年も前、大学では経済学部に在学していましたが、YMCAに入り浸りの生活。体育あそび、野外活動、サマーキャンプ、スキーキャンプとこどもたちとの活動のやりたい放題で、大学は定期試験だけを受けに行くようなもの。4年間でなんとかギリギリ卒業単位は取得して卒業したものの成績は散々で、とても「専門は経済学でした」なんて言えたものではありません。しかしこんな私でも現在の仕事をしながら世間様のお役に立てるわけですから、自分で言うのもなんですがエラいものです。

さて、そういうわけでこんな私ですが一念発起して、もういちど大学で学ぶことにしましたのです。しかも大学院にしようと。京都在住ということもあって選択肢はいろいろあったのですが、母校の同志社大学に18年ぶりに戻ることになりました。総合政策科学研究科というところです。公共政策や企業政策を取り扱う独立大学院ということもあって、学生たちの出身学部は法・経・文・工など様々です。また会社員、公務員、経営者などの社会人学生が2割程度おり、授業は夜間が中心です。

仕事と学業の両立ですが、組織にしばられない個人経営ですので時間的には融通が利きます。週のはじめに授業を集中させ、週末を中心に仕事の予定を入れます。また平日午前中は家でデスクワークをして、午後から大学に行くなど、比較的仕事に影響が出ることは少なくてすみました。それから、ありがたいのは研究環境です。豊富な蔵書のある図書館と共同研究室には自分のデスクと書棚とインターネットがありますから、まちなかに「第二オフィス」ができたようなものです。

指導教授の今里滋先生は行政学がご専門ですが、福岡を拠点にまちづくり、地域づくりの市民活動を活発に展開しておられます。理論と実践の両方で学ぶところ大です。また現役学生と社会人の入り交じった学生同士の交流もなかなか刺激的です。

というわけで楽しんで、そして期末レポートには苦しみながら、一年間の学びが終わり、自分でもびっくりするような良い成績を頂いて (そりゃ自腹で勉強しに行っているのですから)、無事二年目となりました。いよいよ今年は修士論文を仕上げなければなりません。この業界とも関係の深い「自然学校」を「総合政策科学という視点で」輪切りにするのが論文の主旨です。「自然学校」は教育、自然保護、地域づくり、観光振興、社会起業などさまざまなテーマや分野、政策と関連し、社会的に大きな意味や役割をもつようになりました。なんとかこれを研究成果としてモノにしたいと考えています。JONにつながる皆様にもぜひいろいろ助けていただけるとありがたいです。

 

西村仁志 (にしむらひとし)

環境共育事務所カラーズ代表・同志社大学大学院総合政策科学研究科M2
1963年京都生まれ。YMCAに勤務の後、1993年個人事務所「環境共育事務所カラーズ」を開業。自治体や企業、NPO等の環境学習・市民参加まちづくりのコーディネートや研修会の企画運営などを行っている。メールマガジン"Colors of Nature"発行人。

環境共育事務所カラーズ
http://colorsjapan.com