第18回「風の道から」

北澤 伸之 (ELFIN体験共育くらぶ)

今年の夏も本当に暑かった。個人的には猛暑といわれた昨年よりも暑いのではないかと感じるほど。人間の調整機能を低下させないぞ!と粋がって、エアコンを使わずに夏を乗り切ろうと窓を開け放ち七転八倒の東京熱帯夜を過ごす。ぐったりとした朝を迎え、「風よなぜ吹いてくれないんだ?」と嘆き事務所へと向かう。

自宅から事務所まで約1キロを徒歩で通う。自宅も事務所も羽田空港近隣の住宅が密集した地域にある。その間に環状八号線 (環八) という4車線道路を横切る。密集地からぽっとそこに抜け出ると心地よい風が通り抜け、流れる汗を和らげてくれる。「風あるじゃん!涼しいじゃん!!」猛暑よ何処へ?このときだけは思うのである。今まであまり意識していなかったが、強弱はあるもののほとんど毎日といっていいほど朝晩風が通り抜けている。環八は羽田空港へつまり東京湾に向かっている道なのだ。

事務所で流しっぱなしのTokyo FM。「チーム・マイナス6%」「クールビズ」「打ち水」「28℃設定」が耳に残る。温室効果ガス削減のために国民一人一人ができることを行うアクション。服装はクールビズどころか短パン、Tシャツ、裸足。そしてできるだけ窓を開け部屋に風を通そうとする…がしかし。高い建物に囲まれた町工場2階の我が事務所は風向きと比較的強い風が吹かないと通らない。扇風機で風を呼び込む。いよいよ無理になると作業効率を下げないために迷いながらエアコンON!28℃設定。1階工場の熱気で冷えづらいので躊躇しながら1℃…2℃…と設定を下げる。風が少しでも通れば体感度は下がるし、気持ちもいい。エネルギーも使わない。子どもの頃はそんなことはなかった、確かに身体の温室効果がかなり高くなっているとはいえ。。。

東京のヒートアイランド現象はさらに進んでいると言われている。特にベイエリアのビル建設により海からの風が中心地に流れ込まなくなったこともそのひとつらしい。クールビズ、打ち水、28℃設定といった個々でできる努力も確かに大切。と同時に屋上、公園といった緑化や風の通り道など都市計画による環境改善で大きく変化できるものもあるのではないだろうか。といってもビルは簡単に動かせないですものねぇ。それと窓を開け放てる環境と人間関係も必要ですね。

日本へのオリンピック誘致に東京もとのニュース。その際には国立競技場を中心とした再開発を考えていると言う。それもいいけど地球のためにも、「ねぇ都知事?」

秋になりこれから冬へ。じゃぁ東京は暖かいかって?いえいえコンクリートと鉄筋でできた東京はとーっても寒いんです。