第86回「ネジバナ」

 

《ネジバナ ラン科》

梅雨の頃になると、芝生やビルの植え込みなどによく見られます。皆さんもよく知っていることでしょう。別名を「モジズリ」といいます。「陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆえに 乱れそめにし 我ならなくに」と源融が詠んだことでも有名です。花が信夫捑摺という染め物の模様に似ていたところから付けられたのだそうです。

これもネジバナに纏わる有名な話しですが、名前は花が茎を捻れるように取り巻いていることからの命名です。しかし、巻き方には右まきと左まきがあります。また、捻れずに真っ直ぐ這い登るものや、巻き方を途中で変更してしまうものなど多種多様です。実は写真のネジバナは下の方では右まきだったものが途中で左まきに変化し、頂点付近では真っ直ぐになるという非常に変化に富んだ固体でした。

このところ続けているベランダに咲く花のシリーズですが、とうとうこの様な花も登場するようになりました。といいますのはラン科の花は菌の助けを得ないと咲くことが出来ないのですが、家庭の生ゴミで作ったプランターの土がゴミではなく普通の土になってきたと言うことです。まあもっとも菌は担子菌といって黴みたいなものですから大喜びするほどのものでもありません。 誰が持ってきたかは不明です。今年は二本咲きましたが、自家受粉しますので来年どの位増えるのかが楽しみです。

P-MAC 野外教育センター 石井英行