第45回「ミツバテンナンショウ」

《ミツバテンナンショウ サトイモ科テンナンショウ属》

この花の仲間は世界に約150種ほどあるのだそうだ。こんなに沢山、ぼくなどにはとうてい覚えきれない。しかもよく似た種類があり見分けが付きにくい。図鑑などにも同定は難しい。と書いてあったりするのだから始末に負えない。けれども写真のミツバテンナンショウは進化の過程で比較的早く分化している種なのだそうである。ということは著しい特徴があって誰にでもわかるのだ。

さてその特徴は。「ミツバ」とあるのですぐ見当が付くだろう。そう、まさしくこの花は葉っぱが三枚なのだ。ということは他の仲間達は葉っぱが三枚以上と言うことになる。

しかしです。それは間違いです。どういうことかというと、テンナンショウの仲間の葉っぱは「複葉」といって見た目には5枚とか7枚とか11枚とかが束になって一つの葉っぱになっている。見た目のひとつひとつの葉っぱは小葉と呼ばれている。人間の手は通常は指が5本と掌が対になって手と呼ばれる。それと同じように複葉というのも幾つかの指のような小葉が集まって一つの葉っぱなのだ。

だからミツバテンナンショウは小葉が三枚で一つの葉を作っているのでその名がある。

ところがテンナンショウの葉っぱのことはこれでもまだ正確ではない。「複葉」と書いたが実はもう少し違う呼び名がある。それは「鳥足状葉」という。小葉の付き方が鳥の足みたいに付くからだ。

ついでですからもう少し正解を書きます。テンナンショウの仲間にはもう一つ「鞘状葉」というのが付いていて、同定の重要なポイントになっている。ここまでくるともうややこしくていけない。今回はだいぶオタク的解説でした。

P-MAC 野外教育センター 石井英行