第27回「コウリンカ」

《コウリンカ キク科キオン属》

真冬に夏の花で申し訳ありません。日当たりのいい草原に気持ちよさそうに咲いています。寒いときは夏の日差しや思い出に浸るのも悪くありません。と言いますのは、ぼくが山の花に興味を持ち始めた最初の頃に覚えた花なのです。

その時の夏山山行ではどうやって花の名前を覚えるかという話題に終始していました。色々なアイデアが出されていました。そのアイデアは今でもぼくの役に立っていますから、この欄でいつか順に紹介しようと思っています。

さて、この「コウリンカ」なんと尾形光琳と繋げて覚えている人が居たのです。あの江戸の画家で淋派の宗師ですが、肖像画などで見るだらりと垂らした髪の毛が花びらの感じに似ているからと言うのです。どんな肖像画なのか実は今でもぼくは結びついていないのですが、なるほどそんな見方もできるかもしれない、とその時は思ったものでした。以来、山でこの花に出会うたびに、「オガタコウリン」と覚えるといいですよ。何て言ってます。

夏の思い出というからにはその人との秘めた思い出かい。なんてからかわれそうですが、残念ながら60を越えたおばあさんでした。もう鬼籍には入って居られます。いや、おばあさん何て言ってはいけない。ぼくもそろそろですからね。

 

P-MAC 野外教育センター 石井英行