第26回「ヤマシャクヤク」

《ヤマシャクヤク キンポウゲ科》

花全体が大きく5~10cmにもなります。なかなか見事ですので盗掘されやすく、昨年まであったのに今年は無くなってしまった。などということがまれです。水っぽい場所が好きな花ですので取っていってもおそらくすぐに枯らしてしまうと思うのですが。

しかし、写真のヤマシャクヤク、おそらく誰かに持って行かれるなんて事はないと確信しています。何故かといいますと、咲いている場所が、ある大学が所有するキャンプ場の中にあるからなのです。花期が4~6月ですので学生たちがやってくる夏の頃にはすっかり実になっていて、彼らはこんな大きな花が咲いているなんて夢にも思わないでしょう。果実もよく観察すれば美しい赤色に気付くのですが若者たちは興味がないようです。元気な彼らが走り回って踏みしだいてしまわないかの心配は常にしているのですが、幸い何時の年も花の時期に訪れれば出会うことが出来ます。

まれに紅花のものがあってベニバナヤマシャクヤクと呼ばれています。実はこのキャンプ場の比較的近くにあって(ある施設の敷地内)一度許可をもらって見に行ったことがあります。「地元の新聞が開花を記事にするんです」とお話を伺いました。しかし近くから見学させることはしないので守られています。とのことでした。ですからぼくも写真が撮れませんでした。

そういえば数年前に大々的に開校した自然学校のパンフレットにこの花が咲いている旨の記事がありました。どんな風に扱われているか実はちょっと心配しています。絵画や骨董品と同じで好きな人には宝物のようですが興味のない人には花屋の切り花と同じ価値しかありませんから。どうぞよろしく。

 

P-MAC 野外教育センター 石井英行