第21回「ヤクシソウ」

《ヤクシソウ キク科》

漢字では薬師草と書きます。薬用にされたと考えられるのですが、どうもそうではないらしいのです。村はずれによく薬師堂が建っていますが、そんな環境の場所に生えるからというのがその理由らしいのです。

この花の受粉のしかたがなかなかユニークです。花柄(花の茎)がことのほか細く柔らかく出来ていて、蜂などが止まるとその重さでグニャリと曲がってしまいます。蜂はびっくりしてしがみつきます。そうするとお腹にたっぷり花粉が付きます。花粉を付けた蜂は、次の花に飛んでいってはまたグニャリ、あわててしがみつくことで雌しべに花粉をくっつけます。こうして受粉が完了です。

先日、青梅丘陵を歩いたときのこと、お昼のお弁当を広げた目の前にヤクシソウがあり、蜂たちの慌てぶりを見ていたら面白くて可愛くてなかなか立ち去れなってしまいました。

 

P-MAC 野外教育センター 石井英行